
みんな、世界遺産は好きかー!?笑
日本人はことさら好きですよね、世界遺産w
日本自身も富士山が登録された2013年からは
毎年1件ずつ登録されています。
昨年2018年は長崎・天草の隠れキリシタン関連遺産。
2017年には宗像・沖ノ鳥島の関連遺産群。
2015年は7県にまたがる明治の産業革命遺産群で、
2014年は富岡製糸場でした。
さて…この飛ばした2016年の登録遺産。
皆さん何だったかご存知ですか?
日本では唯一、他国にまたがり
7ヵ国17作品のうちの1つとして登録された世界遺産。
それがこの国立西洋美術館です。
先日そんな国立西洋美術館で開催中の企画展
ル・コルビュジエ展
絵画から建築へ―ピュリスムの時代
に行ってまいりましたー!
建築関連に詳しくないと『コルビュジエ?何語?』
ってなりかねない、耳慣れない言葉。
多少知ってる方でも
『建築家なのに美術展…?』と
ちょっと想像しにくい企画展かと思うので
今回行ってみた会場の様子や展示内容
はたまたコルビュジエって誰やねん!って話を
簡潔にまとめてみました!
ル・コルビュジエって誰?
わたしずっと【コルビジェ】って呼んでたんですけど
一応一番多い表記は【コルビュジエ】、なんですよね(笑
このいかにも日本語にはなかなかない感じの音。
実はこのコルビュジエというのはペンネーム。
シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ
これが彼の本名で、彼自身初期はこのジャンヌレという名を
作品にも残していました。
…まぁ、違和感しかないのでコルビュジエ表記にします(笑
コルビュジエは1887年スイス生まれで
主に活躍したのはヨーロッパ、フランス。
1965年に亡くなったのもフランスでした。
コルビュジエの作品である建築もフランス国内に
多く残っています。
日本人に馴染み深いのはもちろん
国立西洋美術館だと思うけど
その他にも修道院や礼拝堂、
個人の邸宅から集合住宅まで
様々な作品を残しています。
ちなみに…
コルビュジエの言葉として有名なのが
「住宅は住むための機械である」
わたしがこれを初めて聞いたのは
西洋建築バンザイ!
ゴテゴテ装飾建築バンザイ!
なんてどっぷりルネサンス期を中心に
ゴシック~ロココぐらいの建築にハマっていた頃。
装飾が綺麗な西洋建築をもってして
機械である、なんて言っちゃうのは
なかなか衝撃的でした。
今でこそ、バウハウスの創立者でもあるグロピウスと親交のあった
コルビュジエらしい一言なのかな、って思えるけど…
…コルビュジエのこの一言がなければ
バウハウスわざわざ見に行ってなかったかも、と思うぐらいには
わたしにとって影響を与えてくれた人でもあるのです。
ル・コルビュジエ展での個人的衝撃
今回のコルビュジエ展。
開催が決まってからずっと行きたくて…っていうのは
既出の影響を与えてくれた一言により
元々私自身がコルビュジエを好きだったっていうのが
もちろん大きな理由ではあるんだけど
それともうひとつ、この展覧会がすごく気になっていたのは
建築家:コルビュジエの芸術家としての一面
これが見えそうな企画展だったから、なのです。
わたしも今回コルビュジエ展で初めて知ったんだけど
コルビュジエって、最初は油絵描いてたのね…!!
知らなかったのでちょっと衝撃。
根っからの建築家だと思ってました。
展示はコルビュジエが手掛けた建築の模型数点と
それに関する図面や写真。
コルビュジエが関わった家具。
そしてコルビュジエが建築家として
名をはせる前の、画家としての作品群。
この油絵の数々を見れる事は、なかなか貴重な体験だと思う。
もちろん作品はすべてがすべてコルビュジエの作品ではなく
コルビュジエと親交の深かったピュリスムの代表画家:オザンファンや
ピュリスムに影響を多大に与えた、キュビズムの巨匠:ピカソ、ブラックなんかも
しれっと並んでます。本当にシレっと。
ピュリスムの画家としてのコルビュジエ
ピュリスムっていうのはコルビュジエと、若い頃に親交の深かったオザンファンが
彼らの著書の中で主張した絵画様式…とのことなんですけどね。
ピカソで有名なキュビズムに非常に似ていて(厳密には違うんだけど)
と――――っても何書いてあるかわからない(笑)
でもこのピュリスムこそが、後々の建築家ル・コルビュジエの
建築スタイルを構成する重要な基盤だったりします。
かくかくとした形状だったり、曲線だったり
一度物の側面を切り取って、再構築して…
言われてみればそんな風に描いてある気がしなくもないんだけど
基本的によくわからない…
「これはたぶんバイオリンで、こっちは…瓶…
じゃあこっちの…なんだこの青いの…???」
って、なりかねない。
ってとこでオススメはやっぱりオーディオガイド。
このブログでも何度か紹介してる
諏訪部順一さんが今回もナレーターでございました。
いや、結構時間に余裕がある時とか
じっくり見たい作品が多い時とか
好きな作家さんの企画展だとか
オーディオガイドを借りることはよくあるんだけど
なかでも断トツ聞きやすいんですよ、諏訪部さんのガイド!
前回はロマンティックロシア展でお世話になりました。
今回ももちろん会社をサボタージ…ゲフンゲフン
正当に午後半頂いてますよ、もちろん今回も(笑
さすがにじっくりオーディオガイド聞きたい時は
仕事終わりの駆け込みじゃ物足りなくなっちゃうからね。
もちろん大好きな声優さん、という事もあるけど
それ抜きにしても以下の2点からオーディオガイドの利用が絶対おすすめ。
ひとつは今も話した通り、ピュリスム、キュビズムの
絵画題が素人にはとってもわかりにくい。
何度見てもわかりにくい(笑
いつになっても理解できる気がしない(笑
それでもそこに何が描いてあるか、それを楽しむって人もいるだろうけど
想像を働かせるならなおの事、作者と自分の想像がどう違うか
他の人は何をイメージして書いたのかを聞くのも楽しいと思う。
もう一つは、少し西洋美術館自身の解説も入っているところ。
どうしても作品が順に展示されてると
順路に沿ってその作品を目で追いかけるのが常になってしまうけど
ふとした瞬間に西洋美術館のホールや回廊についても
補足的説明の番号があって
それを聞くことで美術館自身も楽しめるようになっているところ。
展示追ってると忘れちゃいません?
美術館そのものが、コルビュジエの作品だってこと。
コルビュジエによる無限成長建築としての西洋美術館
自然光を取り入れるように作られた内側の天井の低い部分
モデュロールの考え方
実際のコルビュジエの作品だけでなく
自分自身がまさに今立っているその場所についても
解説がしっかり入っているんですから
お得ですよ~!
時間は約45分。500円。お得!(2回目)
500円以上の価値は絶対あるのでおすすめです。
(※回し者じゃありませんw)
西洋美術館は世界初の世界遺産
実はこの国立西洋美術館は
とある世界遺産分野としては登録第一号。
何の第一号か知ってますか?
2019年現在、1000件以上の登録数がある
世界遺産の中で、【トランス・コンチネンタル・サイト】として
登録された世界遺産は、世界初だったんです。
【トランス・コンチネンタル・サイト】とは、大陸を超えた遺産。
今までもトランス・バウンダリー・サイトという
複数国にまたがる世界遺産っていうのは存在したんだよね。
例えばジンバブエとザンビアにまたがるヴィクトリアの滝とかね。
でもトランス・コンチネンタル・サイト=大陸を超えた遺産としては
世界初の登録となりました。
ちなみに日本としてはトランス・バウンダリー・サイトとしても
初めての登録物件ですよ~。
建築が好きな人も、世界遺産が好きな人も
コルビュジエが好きな人も、絵画が好きな人も
たくさんの人に響くコルビュジエ展は
5月までの開催なので、ぜひお時間ある方は
足を運んでみてくださいませ…!!
ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代
場所:国立西洋美術館
会期:2019年2月19日(火) ~ 5月19日(日)
公式HP:ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代
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