
東京都美術館で開催中の
プーシキン美術館展―旅するフランス風景画―
に行ってまいりました!
てっきり国立西洋美術館管轄かと思いきや
プラド美術館展、ミケランジェロと理想の身体展と
会期がかぶり東京都美術館での開催でした。
CMやってるし、ヨーロッパっぽい絵好きだし
でも実際なんだかよくわからなくて
何見てくればいいの?というそこのあなた!
5分だけこの記事を読んで
(きっと美術展に向かう電車の中で読めるはず!)
美術展を楽しんできてください^^
Contents
プーシキン美術館ってどんな美術館?
プーシキン美術館はロシアの首都、モスクワにある美術館です。
2017年末~2018年にかけて『大エルミタージュ展』もありましたが
ちょっと高くても、ロシア系の展覧会はかなりオススメ!
と、いうのも金銭面はさておきヨーロッパの美術館展は
原則その国に行けば観光で訪れることができます。
もちろんロシアへは旅行で行けるし
エルミタージュ美術館も、プーシキン美術館も
観光で訪れることは可能ですが
2018年6月現在、ロシアへの旅行はほとんどの場所で
観光の期間に関わらずビザの取得が必要なので
思い立ったが吉日!で見に行くことがなかなか難しい。
他のヨーロッパの美術館に比べて
たどり着くまでのハードルが少しだけ高いんだよね。
そんなプーシキン美術館の収蔵品は約10万点。
世界2位の規模を誇る美術館です。
(ちなみに世界1位は既出のエルミタージュ美術館。
その数なんと約300万展…笑)
開館は1912年と、比較的新しい美術館ですが
モスクワ遷都に伴ってエルミタージュ美術館から
戦後には国立西洋美術館から収蔵品が移され
かなり充実したコレクションを誇っている美術館です。
何を見たらいいの?
今回のプーシキン美術館展は
サブタイトル『旅するフランス風景画』の名の通り
17~20世紀の風景画が65点来日するとのこと。
目玉は、今回初来日のクロード・モネの『草上の昼食』。
それ以外にもセザンヌ、ルノワール、ピカソなど
日本でも名の知れている画家の作品が目白押しです!
そして【美術館展】で面白いのは
あまり有名ではない画家の作品も多く展示されること。
なかなか個人名で美術展が開かれない画家の作品と
触れ合えるのは貴重なチャンスですよね。
でも美術館を普段から回り慣れている人なら
65点ぐらいは順々に見ていけるかと思いますが
普段から美術展に行き慣れない場合は
途中で飽きてしまったり
何見てるのかよくわからなくなってしまったり
段々全部同じ絵に見えてきてしまったり…笑
普段あまり絵画鑑賞をしない、という方は
次にあげる3点の絵画の前では少し立ち止まってじっくり
ほかの作品はなんとなく眺めて見る…なんていうのもありだと思います。
(気に入った作品があれば、もちろんじっくり見てくださいね)
草上の昼食(クロード・モネ、1865~1866年頃)
今回の美術展の目玉と言っていい作品。
でも、何となくこの絵…見たことある方いるんじゃないですか?
初来日なのに、既視感…
その既視感、間違っていない可能性大ですのでご安心ください(笑
実はこの草上の昼食はモネが描くその2年前に
まずエドゥアール・マネが描いた『水浴(後に草上の昼食)』という
作品の影響を色濃く受けているといわれています。
さらに、今回プーシキン美術館からやってくる草上の昼食は
本番絵の最終下絵として描かれた作品だとされています。
ではその本番絵(サロン出品用とも言われる)とは…
現在はフランス・パリのオルセー美術館が所蔵しており
日本にも2014年にオルセー美術館展で公開されているんです。
残念ながら本番絵はモネの経済的事情等により
分割され、現在は切り取られた左側部分と
中央部分が少し残っているだけとなっていますから
全体の構図、色彩などがわかる
今回のプーシキン美術館所蔵版をじっくりご覧ください!
ちなみに…モネ!?誰!?って方は
【浮世絵に影響を受けて、睡蓮の絵をたくさん描いた人】
っていうとなんとなくイメージできるかな…?
今回の美術展にも初期に描かれた【白い睡蓮】が
共に展示されています!
第1章:近代風景画の源流のコーナー
絵のお勧めって言ったのに!
どういうこと!っていう非難はご遠慮いただくとして(笑
かなり絵画に触れるようになってわたしはやっと
風景画も楽しめるようになったんだけど
風景画?何が面白いの?的なご意見もあると思う。
だってわたしもずっとそう思ってたから(笑
そんな方には入って最初の空間
第1章:近代風景画の源流に展示されている
18点の絵画をぜひ楽しんでほしい。
風景画ってそもそも独立した分野として脚光を浴びるようになったのは
17世紀ごろから、それまではどうしても『背景』でした。
この【近代風景画の源流】のコーナーでは
その『背景』としての風景画にフォーカスしているんだと思う。
風景画って、作品の主役がどうしてもぼやけがちなところがあって
どうしても『野原ね………で?』ってなりがち(笑
でも絵に主題があると結構見やすいものです。
ヨーロッパなのでギリシャ神話や戦いの風景もあり
日本絵画の題材とは全然異なるので楽しめるんじゃないかな?
個人的には、この部分からだと
エウロペの掠奪(クロード・ジュレ)
ナミュール包囲戦、1692年(ジャン=バティスト・マルタン)
ボスポラス海峡(フェリックス・フランソワ・ジョルジュ・フィリペール・ジエム)
あたりが好きです^^
馬を襲うジャガー(アンリ・ルソー、1910年)
ルソーの作品の面白いところは
いかにも南国風の植物に囲まれた風景でありながら
彼自身が南国には行ったことがないというところ。
風景画家は、屋外にキャンパスを構えたり
アトリエの窓から見える風景を描いたり
はたまた、移住・旅行先の風景を描いたりしているが
ルソーはパリの植物園でのデッサンを元にしたそう。
言われてみれば、生い茂る熱帯雨林の中で
ジャガーに襲われている馬…なんて現実味がない。
でも言われるまで気が付かないような
ちょっと神秘的な雰囲気があるような気がするのです。
そのあたりの神秘性を…ぜひ作品を見て感じ取ってきてください^^
日曜の日中、会場は結構混雑していたけど
人が多すぎて全然見れない…なんてこともなく
1時間半ぐらいで一通り見ることができました。
会期も残すところあと2週間ほどなので
ぜひ、足を運んでみてくださいね。
プーシキン美術館展―旅するフランス風景画
会期:~7月8日(日)
会場:東京都美術館 (東京・上野公園)
時間:9:30~17:30
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